あなたも実は天才。脳の仕組みからわかる可能性の話。

Brain Work

本日は「ヒトは生まれながらにしてみな天才」と言う仮説について考察します。
これは脳神経科学の知見に基づいた仮説です。

この仮説を知っているだけで、自分の可能性、子どもたちの可能性に対しての認識が大きく変わるかもしれません。1つの読みものとして楽しんで頂けたら幸いです。

ヒトはどのように自分自身の可能性を決定づけているのか?

それは過去の体験や、生まれてから今まで五感で感じてきたものによって決定づけられます。これには神経細胞(ニューロン)とシナプスが大きな役割を担っています。およそ1000億個のニューロンがそれぞれの体験や刺激を記録して、同じ刺激が加わればそれに必要な反応を呼び起こします。

例えば、幼い子どもが初めてわさびを食べた時は、辛いことがわからないから一気に食べてしまったとします。強烈な辛さと、鼻にくるツーンという刺激に驚き、その味や見た目をその刺激とともに、神経細胞(ニューロン)が「わさびは危険だ!」記憶します。
一方、ある程度大人になってからわさびを生まれて初めて食べるとします。わさびは辛いものという認識がある状態でそれを食べたとしたら無理はしません。この時に適量を口にして風味を楽しめたとしたら「わさびは風味があって、料理の旨みを引き立ててくれる。」と記憶します。
このような違いによりわさびの好き嫌いという価値観が神経細胞(ニューロン)に刻まれます。この記憶のされ方によってわさびに対する記憶は大きく異なるものになります。

このようにおよそ1000億個ある神経細胞が、ある出来事や刺激ごとに記憶するしたり反応したりする役割を担っていきます。それと同じように、自分の価値観や可能性に対する認識も記憶し、決定していくということ。厳密に言うと生まれた当初は1000億個もありませんが、3歳ごろでおよそ80%の数まで到達すると言われています。3歳までの体験が重要と良く言われる理由がこの神経細胞の仕組みにあるんです。

わさびについて語りすぎましたが、つまりどのような刺激を受けるかによりある特定の物事に対する認識や価値観は変わると言うこと。そしてそれは神経細胞によって記憶されていくということ。

特に子どもの頃は…

子どもの頃に、

・なんでも挑戦してみることを勧められた子どもと、新しいものに手を出しすぎて怒られた子ども。

・失敗しても頑張ったことを褒められた子どもと、失敗という結果を否定された子ども。

・「あなたには可能性がある」と言われ続けた子どもと、「お前はなんでそんなにバカなんだ」と言われ続けた子ども。

この違いが脳にどのような記憶を残していくかはなんとなくお分かり頂けるのではないでしょうか?
生まれた頃は、どのような出来事も刺激も新しいもの。それぞれの刺激をどのように神経細胞に刻み込んでいくかのよって、価値観や自分の可能性に対する認識も大きく変わってきます。

生まれたた瞬間は、神経細胞の役割分担がほとんど決まっていない状態。つまり何者にでもなれる可能性を秘めていると考えることもできるのです。これが「ヒトは生まれながらにしてみな天才」という仮説の理由です。

DNAは関係ないのか?

確かにDNAによってある程度能力は決定しているという説もあります。しかし、DNAが能力に影響する割合は50%以下とも言われています。すなわち、生まれてかろの環境や、どのような影響を受けるかによって可能性は大きくもなれば小さくもなりということなんです。

あなたは可能性を過小評価してませんか?

この神経細胞の働きを認識しているだけで可能性に対する認識は変わってくるのではないでしょうか?
あなたの記憶はあなたの体験によって作られた1つの物語で事実とは異なります。どんな人でもこれまでの経験で「自分はこんもんだ。」と決めつけているだけとも言えます。自分が思っている以上にあなた自身は可能性を秘めている可能性があるかもしれません。

脳は変化する。


加えて、神経細胞は可塑性(変化する性質)があることが認められています。つまり歳を重ねても脳は成長します。何歳からでも可能性はあるということ。
そのため可能性を感じられなくなる環境を見直し、可能性を感じられる環境や人々と関わることが効果的です。

この記事を読んでなるほどと感じていただけたあなた、自分の可能性、自分のお子さんや家族の可能性についてあらためて考えてみてはいかがでしょう。ではまた!

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