あなたは大丈夫?「決めつけて、押し付ける」脳のクセとは?

Brain

本日は固定観念、思い込みを生み出す「認知バイアス」について解説します。
これを理解しておくだけで、

・相手の意見にも素直に耳を傾けられるようになる。
・自分の考えにも間違いがあるんじゃないかと謙虚になれる。
・自分の価値観を相手に押し付けることが減る。
・SNSやテレビ、ある特定の人からの偏った意見だけを盲信しづらくなる。

知っているだけでコミュニケーションが今より円滑になる可能性が高いのでぜひ参考にしてみてください。

まず固定観念とは?

心理学の用語で、人が何かの考え・観念を持つとき、その考えが明らかに過ちであるか、おかしい場合で、他の人が説明や説得を行っても、あるいは状況が変わって、おかしさが明らかになっても、当人がその考えを訂正することのないような観念。

つまり固定観念は、個人それぞれの「思い込み」であり、固定観念が強いと相手へ自分の偏った価値観を押し付けてしまったり、他者の意見を素直に聞き入れられなくなる原因になるとも言えます。

ではなぜ固定観念が生まれるのか?

その原因のひとつが「認知バイアス」です。認知バイアスとは一言で言うと思考の偏りです。すべてのヒトがもつ脳のクセであるこの認知バイアス。いくつか種類があるので、それぞれ解説します。

どのような偏り(バイアス)があるのか?

・自己奉仕バイアス
自分のミスは自分以外に原因があると考え、他人のミスはその人本人の能力の無さが原因と考えること。

・確証バイアス
たまたま、仮説に一致したひとつ事実を正解だと思い込むこと。例)怖い顔の人を見て、性格も悪い人だと決めつける。

・後知恵バイアス
「言うと思った!」「そうなると思った!」などの事後にあたかも事前に自分が判断できていたかのように思い込むこと。

・信念バイアス
自分がそうだと確信していることに反する事実や他者の主張は、無視してしまったり、その主張のあら探しをしてしまいやすいというもの。例)宗教的信念とか政治的信念など。

・ハロー効果
ある特定の人物の1つの良い要素だけを見て、その人の他の要素も良いと思い込むこと。例)美男美女の芸能人カップル=おしどり夫婦。

・逆ハロー効果
ある特定の人物の1つの良い要素だけを見て、その人の他の悪い要素も軽く見積もること。例)人の良さそうな美人が窃盗を犯した。「何か特別な理由があったんだろう。」と考える。

・外部誘因バイアス
自分の行動の動機は不純ではなく、他人の行動の動機は不純だと感じること。例)自分が行動する動機はスキルアップや社会貢献のため、他人が行動する動機はお金のためと考える。

・可能性ヒューリスティック
深く考えず意思決定を怠けること。例)人事評価を下すとき直近の成績の印象だけで判断する。

・バイアス死角
他人の認知バイアスは認識しているのに、自分の認知バイアスには気づかないこと。これがとてもやっかい。

いかがでしたか??思い当たるものも多かったのではないでしょうか?
宗教的価値観、恋愛観、親子間の意見の相違、嫁姑問題、冤罪など、社会で起こる問題や争いの原因にはこの認知バイアスが大きく関わっています。

認知バイアスはすべてのヒトが生まれながらに持っている思考のクセ。

この認知バイアスのおかげでヒトは思い込みもすれば、勘違いも起こします。私たちはどうやら勘違いや、間違いを起こしやすい生き物のようです。ですから完璧など存在しない。
もちろんこの文章を書いている私自身にも認知バイアスはあります。

何か意見するとき、人と会話をするとき、何かを強く盲信しそうな時、この認知バイアスを思い出してみてください。お互いがその意識を持つことで一歩立ち止まって冷静な判断ができたり、相手に対して思いやりを持つことができるのではないでしょうか。ではまた!

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