成長するために欠かすことのできない性質とは?
こんにちは!かなり寒くなってきてますがお元気ですか?僕は寒いのが苦手なので、暖かいコーヒーに応援してもらいながらお仕事頑張ってます。笑
さて本日は全てのあなた自身を成長させるために欠かすことのできない性質について解説します。
本日も応用神経科学、応用心理学をベースに極力わかりやすくお伝えできたらと思います。
さて早速ですがあなたにとって成長とはどのようなことでしょう?
・学校での成績向上
・職場での営業成績の向上
・新しい知識を身につけること
・料理の腕前を上げること
・ダイエットをすること
・人前でうまく話せるようになること
・目の前の問題を解決すること
・チーム、クラスなどをうまくマネジメントすること
・ゲームの腕前を上げること
・スポーツで好成績を残すこと
あげだしたらきりがありませんが、あなたも「もっとこんな風になりたい」というような思いがきっとあると思います。しかしながら、「成長には努力はつきもの。たくさん我慢しなければならない。忍耐強く取り組まなければならない。」そんな精神論的なイメージもあるかと思います。根性論ってやつです。
個人的に何事にも根性は大切だと思いますが、「根性だけでは納得できない!」っと思っています。笑
だからこそ科学的に成長を解説しながら、そこに成長に必要な要素をお伝えできたらと思います。
結論からお伝えすると成長に欠かすことのできない性質とは「主体性」です。
主体性とは?
自分の意志・判断によって、みずから責任をもって行動する態度や性質。(引用:三省堂 大辞林 第三版)
あの『7つの習慣』の中でも第一の習慣として主体性があげられています。著書の中でも「主体性を持つということは、率先力を発揮するだけではなく、自分の人生に対する責任をとるということである。」と述べられています。
ではなぜそこまで主体性が必要なのかを
・神経科学的観点
・ストレスマネジメントの観点
でそれぞれ解説していきます。
成長するとき脳では何が起きているのか?
まずは成長の仕組みを理解しましょう。成長を神経科学的観点で説明すると、
・新しい神経回路を形成すること
・既存の神経回路のつながりを強固にすること
・神経回路の伝達効率を上げること
などがあげられます。
これらの神経回路の変化のことを神経科学では「Neuro plasticity=神経可塑性」と言います。僕たちが新しい知識や経験、スキルなどを記憶するとき、常に神経回路が変化します。
英単語を覚えるプロセスを例に解説します。まず新しい言葉を覚えるとき、その音や綴りが感覚器官を通して視覚や聴覚として脳に電気信号で伝わります。この電気信号が脳の神経細胞に伝わります。「independence」という単語に例えると、視覚「independence」、聴覚「インディペンデンス」みたいな感じです。なんとなく聞いたことあるかも?なんかの映画のタイトルみたい?など人によって反応は様々かと思いますが、この反応こそが神経回路の働きと言えます。過去になんとなく聞いたことがある場合は、過去につながった神経回路で電気信号が発生します。待ったく聞いたことがなければ、似たような言葉に反応する神経回路が反応するかもしれません。例えば「identity=アイデンティティー」みたいな。その言葉へのイメージ、理解の度合いによって異なりますが、神経細胞たちは新しい回路を形成したり、より回路を複雑につなげあったり、神経回路を太くすることでより記憶やイメージを鮮明にしていきます。僕は「independence」と聞くと『Independence day』という映画を思い出します。つまりその映画のイメージや、ストーリーとともに「independence」という言葉を記憶しています。初めて「independence」を聞くよりも映像や感情とともに立体的に記憶されているのがわかるかと思います。ちなみに「independence」=「独立した、主体的な」などの意味です。これで皆さんも「independence」という言葉をより忘れにくくなったと思います。笑
(今度「independence」という言葉を聞いたらこのブログを読んだ記憶が蘇るかもしれません。これこそが神経回路のおかげであり、記憶の仕組みです。)
つまり「新しい記憶の形成=成長」とは脳を物理的、構造的に変化させることとも言えます。
先ほどもお伝えしたようにこれを神経可塑性と言うのですが、この神経可塑性に関するあまりにも有名な研究があります。イギリスの神経学者エレノア・マグワイア博士がアメリカ国立科学アカデミーで2000年に発表した論文で、ロンドンのタクシーの運転手は一般の人より脳の海馬が大きくなっていることを明らかにしました。ロンドンの地図は他の地域と比べても複雑なことで有名、数年トレーニングしなければドライバーとしての試験にパスできないと言われています。海馬という部分は記憶する上で重要な役割があるとして一般的に知られていますが、そこがベテランになればなるほど大きい。つまり海馬は年齢にかかわらず構造的、機能的変化をすると考えられているのです。
脳の基本原則として、使えば使うほどその神経回路は強固になり、使わなければ失われるという性質があります。筋肉みたいですね。例えば留学して英語を習得しても、帰国後数年経って話そうとしてもなかなか当時のようにうまく話せない。幼い頃に遊んでいたおもちゃの名前が思い出せない。これらの現象は記憶の仕組みとして当然のことなんです。
なぜ成長に主体性が重要?
長々と解説してきましたが脳の変化=成長に、なぜ主体性が重要なのか。ここまで説明してきた神経可塑性を促してくれる神経伝達物質が存在します。それはドーパミンです。ドーパミンは聞いたことがある人も少なくないと思いますが、このドーパミンこそが成長の強い味方になってくれます。ドーパミンは「興味、ワクワク、気になる、好奇心」などを感じている時に脳内で分泌されます。つまり自ら理解したい、上手くなりたいなどの「欲求、探求」などの状態。しかし何かをやらされている状態ではこのドーパミンは反応してくれません。興味があるものはなんでも能動的に調べたり、確認したりする。気になって仕方ない状態はドーパミンが関係しています。「好きこそものの上手なれ」ということわざがありますが、神経科学的にも正しいと言えます。昔の人はうまいこと言いますね。笑
「やらされている」ではなく「やりたいからやる」。この姿勢こそが成長を強くサポートしてくれます。まさに主体性のある姿勢です。
やらされていると感じた時は、自分なりにでいいのでやる理由を明確にしてから取り組むようにしてみてください。物事への視点を変え、意義や意味を再認識することで、ドーパミンを利用して成長しやすいコンディションへ自らを整えることができるでしょう。
ストレスマネジメントの観点でも主体性が重要です。
想像してみてください。毎日の生活の中でやること全てが「やらされていること」だとしたらいかがでしょう?けっこう辛いですよね?笑
学生だったら部活の厳しい練習、毎日の宿題。大人だったら毎日の業務。日常生活ではどうしてもやりたくてやっていると言い難いことが少なくありません。やらされている状態、つまり脳がやらなければならないと認識しているときは「ノルアドレナリン」が分泌されます。
あなたは目の前に熊が現れたらどんな反応をするでしょう?おそらく「逃げないと!」と思う人がほとんど。「襲ってきたらやっつけてやる!」と思う人は少数だと思います。笑いずれにしてもこの「逃走か闘争」の状態を作りだしてくれるのがノルアドレナリンです。ノルアドレナリンは僕たちの体を戦闘態勢にさせてくれます。
つまりやらなければならないことをやるのは、誰かに怒られないために、誰かに負けないために闘っている状態。本心では逃げたい、やりたくないと思っていることが多い。つまりノルアドレナリンによって動かされています。このノルアドレナリンはストレスを伴います。つまりやらされているばかりの行動はストレス過多になり、長くは続かない。それどころか慢性的に蓄積すると、うつや高血圧などを引き起こします。成長とは程遠い状態。
では「やらされている」と思ってしまうことにはどのように対処するのか?
なぜやらされていると思いながらもやっているのかを考えましょう。きっとその奥底にやりたい理由が隠れています。その理由を明確に認識しながら物事に取り組んでみてください。
今よりも主体性を持って取り組めると思います。そしてその姿勢が成長を助けてくれます!
もう一度言います。
主体性とは「自分の意志・判断によって、みずから責任をもって行動する態度や性質。」のことです。
あなたの人生はあなたのもの。自分の意思で選択していると認識するだけで成長は加速するはずです。どうしてもやりたくないときは自分と向き合う時間を作りましょう。自分と向き合う時間も重要。ストレスが多い状況になると冷静に判断することも難しくなります。無理をし過ぎていると感じた時、取り組んでいることが本当に自分にとって重要なことかがわからなくなった時こそ、一歩立ち止まって休憩してみましょう。
「マインドフルネス」、「メタ認知」などが重要だと言われるのも、このような科学的根拠に基づいています。刺激が多く、複雑な時代だからこそ、自分の価値観を理解し、主体的に日々の行動や感情を選択していきたいですね。
ではまた!