「ハグの科学」抱きしめることは成功への近道。
今回は、ハグなどのスキンシップで、ヒトはストレスに強くなるという話です。特に、幼い頃に親から受けとるスキンシップは重要。
ですが大人になってからでも遅くありません!
無駄なストレスは軽減し、ポジティブであることは成功や幸せの必須条件といっても過言ではないので、ハグがあなたの成功のきっかけになる可能性があります。
詳しく解説していきます。
カナダのブリティッシュ・コロンビア大学の小児医学部のティム・オーバーランダー氏の研究によると、産後の母親からのスキンシップを比較的多く受けた子どもは、そうでない子どもよりも明らかにストレス耐性が強くなることがわかっています。つまりハグをたくさんするだけでストレスに強くなる!
なぜスキンシップだけでストレスに強くなるのか?
子どもの頃にたくさんのスキンシップを受けることで、グルココルチコイド受容体という物質の量が増えることが分かっています。このグルココルチコイド受容体はストレスを感じる遺伝子の発現を起こりにくくすることが分かっています。すなわちスキンシップをたくさんとると、ストレスを感じにくくするための物質が増えて、ストレスに強い人に成長することが分かっているんです。なんて素敵な話。笑 ハグはストレスを感じやすくする遺伝子を沈黙させる。愛は偉大ですね。
考えてみると、他国に比べて日本がストレス社会と言われるのは、比較的ハグなどのスキンシップが少ないからかもしれません。
大人になってからでも遅くないの?
結論から言うと遅くない可能性が大いにあります。もちろん個人差はありますが、大人になってからでも、脳のどの神経を頻繁に使うかによって、感情や記憶は変化することがわかっています。脳神経科学の大前提に「Use it or lose it.」という考え方があります。これは「使えば発達するし、使わなければ失う。」という意味です。つまり脳の神経回路も、筋肉のように使えば鍛えられ、使わなければ衰えるということ。
ですので、大人になってからでもストレスを感じる神経よりも、愛情を感じる神経を使うことで、ストレスを感じづらくなり、結果として脳がストレスに強い方向へ変化する可能性は大いにあります。ってことでハグは大人をもストレス社会から守ってくれる救世主になりえます。たしかにハグは癒されますよね。笑
実際の話し。
たしかに、私のクライアントでも、子どもの頃に強いストレスを感じて育った方は、大人になってもストレスを強く感じやすい傾向がありました。しかし、大人になってからでもパートナーとのスキンシップが十分取れている時は例外でした。
それが強く現われていたのがAさん(当時20歳代)という女性でした。Aさんは子どもの頃に父親の罵声をよく聞きながら育ちました。母親も厳しい人だったという記憶があるそうで、優しくしてもらった記憶は少ないとのことでした。後に両親は離婚しましたが、大人になったAさんは、両親それぞれと良好な関係を気づいていました。しかし、当時の記憶は強く焼き付いているようで、街中でも大きな声を出す人に出会うと、当時を思い出して怖くなるとよく言っていました。Aさんは仕事も真面目で思いやりの強い女性でした。しかし、何か上手くいかないことがあると、責任を感じすぎる傾向があり、その度に引きこもることもしばしば。彼女なりのストレスからの回避行動なので、引きこもることに良し悪しはないですが、他の同僚と比較しても明らかに考え込みやすく、ストレスを感じやすい性格でした。
しかしそんな彼女も信頼できるパートナーの存在があるときは仕事も前向きでした。しかも、その間に(投資家として)圧倒的な成果を残しました。スキンシップだけが原因ではないとは思いますが、愛情を感じ取れていることにより、ストレス耐性が上がり、物事に前向きに取り組めた可能性は大いにあります。
このことからも、大人になってからでもスキンシップが増えたり、愛情を感じられる機会が増えると、ストレス耐性は強くなると言えそうです。あなたにもそんな経験があるのではないでしょうか?
産前産後は特に注意という研究も!
加えて余談ですが、母親が産前産後にうつ状態であると、子どもがストレス耐性が弱くなるという研究結果もあり、母親のストレスケアもとても重要です。男性諸君は奥さんのためにも、お子さんのためにも、産前産後は特に、配慮が必要だと心得ておいた方が良いかもしれません。
今回は『「ハグの科学」抱きしめることは成功への近道。』という内容をお届けしました。スキンシップを増やすことによって、前向きに生きられるということは他の研究でも明らかになっています。普段あまりお子さんや夫婦、パートナーとスキンシップを取らない方も、そうでない方も、あらためて家族や大切な人と寄り添う時間を増やしてみてはいかがでしょう?
「愛にできることはまだありそうですね。笑」 ではまた!
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